編集部ブログ
八木 波奈子のブログ
- 2018年08月09日
- 東京・江東区豊洲で始まった
新たなコミュニティガーデン活動
<マギーズ東京・ガーデニングプロジェクト> -
「みんなで作るみんなの庭」コミュニティガーデン活動が、東京のビル街や住宅密集地でも盛んに行われていることは、驚くべきことです。マンションの前庭や殺風景な公園の一角、高齢化にともなって問題化する空き家対策の一つなどに、コミュニティガーデン活動が大活躍しているのです。地域の人たちが自分たちの住む地元に、花と緑を増やしていく活動を通じて、互いの連携を強める効果的な方法として期待されています。
新しい話題としては、「マギーズ東京・ガーデニングプロジェクト」があります。場所は築地市場移転先として注目されている、豊洲・ゆりかもめ市場前駅の近くです。これは、コミュニティガーデン活動とガーデンセラピー効果のある景観づくりを目指すプロジェクトで、今、東京を中心に全国的に活躍するガーデンデザイナー団体と長いキャリアを持つコミュニティガーデン活動団体が手を結んだ大変意義のあるボランティア・プロジェクトなのです。マギーズ東京について
「マギーズ東京」は、1996年に英国でスタートした「maggie’s(マギーズ)」 の素晴らしいコンセプトを実践する、日本初となる施設です。がんになった人とその家族や友人が気軽に訪れて、悩みを話したり相談ができる場所です。 そこにはボランティアの看護師さんもいるので、第二の我が家のように安心してこころのケアができます。また、お茶を飲みながら一人静かに過ごすこともできます。病院でもなく、自宅でもない、第二の我が家なのです。
マギーズの革新的なコンセプトは、「美しい建物と心地よいガーデンは、そこに暮らす人々に前向きになれる強いパワーを与える」というもの。創設者のマギー・ケスウィック・ジェンキンスさんの体験から導かれた、がんに関わった人たちに必要な住環境論です。今や全英20数カ所、世界10数カ国への広がりを持ち、医学、建築、ガーデンなどに従事する広い領域の人たちの関心を集めています。ここでは施設の建設、運営などが無償(ボランティア)で行われていることも注目されています。多くの人たちの理解と支援が不可欠なプロジェクトなのです。
2棟を外廊下で繋いだマギーズ東京の建物 ◎マギーズ東京公式ホームページ http://maggiestokyo.org/
◎掲載誌 BISES No.93 (2014年12月)
ガーデンセラピー特集「maggie’s」 写真と文:Jamelea Naderこの夏、マギーズ東京では隣接する空き地にメドウガーデンを作るプランを発表しました。そこは市場前駅から徒歩5分ほどのウォーターフロントで、対岸にはビルが林立する東京の新しい景観が一望できる場所。マギーズ東京はここに2020年までの借地契約をして仮建物を建てました。仮と言っても、コンセプトにのっとったとても魅力的な建物になっています。近未来に向け、一人でも多くの人に活動内容を知っていただき、豊洲の地でこれからも意義ある仕事が続けられるよう、まずガーデニングプロジェクトに着手したのです。
2018年春からスタートした「マギーズ東京・ガーデニングプロジェクト」には、東京で活躍するガーデンデザイナー、コミュニティガーデン活動団体、園芸振興団体など、花緑によるボランティア活動に深い理解を示すガーデン界の実力者たちが集まりました。
ガーデニングプロジェクトのメンバーたち
吉田祐治さん
——プロジェクト全体のコーディネーター役。 JAG(日本ガーデンデザイナーズ協会)の副会長で、協会からも賛同をとりつけバックアップの頼もしい力を示しました。同JAG理事の大滝暢子さんがガーデンデザインの中心役を担いました。牧野ふみよさん率いるNPO法人グリーンワークス
——コミュニティガーデン作りのプロ集団です。地域の花緑リーダーを育てるノウハウを作り上げています。このプロジェクトには同法人から三浦香澄さん(副代表)、梁瀬泰子さん、東方陽子さんなどが参加。公益社団法人 日本家庭園芸普及協会
——数種の花のミックス種を土などに混ぜて作る“たねダンゴ”の普及に努めている協会で、今回のイベントでは900個のたねダンゴ作りに全面協力しました。グリーンワークスとも協力し、今回は夏に強い花々を選んでいます。涼仙
——造園会社で、ユンボを使う耕耘作業から、道づくりなどに協力。昨年の日比谷公園ガーデニングショウのコンテストでは、そのユニークなデザイン作品に注目が集まりました。