編集部ブログ
八木 波奈子のブログ
- 2001年04月20日
- 第9話 「スノウドロップと小さな恋のものがたり」
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ある書店さんが言いました。「1月に出る雑誌になんでまた、クリスマスの花なんかやるのですか?」???となった編集者は一瞬何のこと?と思ったのでした。あーそーか、ビズの早春号は巻頭にクリスマスローズをのせたんだわ。冬の終わりの早春に、あんなに愛らしく、色彩も豊富で素敵な花を咲かせる奇跡の植物−−−クリスマスローズという名から、この程度の記憶がサラサラ、スラスラと出てくる人がどのくらいいらっしゃるのやら、しかと考えさせられる会話でした。そうです、雑誌たるもの、広く門戸を開放し、日本中、どなたの心をもつかむ記事作りをしなければいけません。いつもわかってはいるのですが、どこまで気配りしても配慮の行き届かないビズ編集部。困ったものです。でも、あのクリスマスローズには‘パーティドレス’なんて名付けられた、本当にパーティドレスみたいなきれいな品種があったわ。それからオリエンタリス系のブルーブラックの花も大好き!! いつか庭をもてたら、何としても育ててみせるぞ。大都会の小さなマンションに住む編集者は、いつの間にか反省をこえて、読者に変身しています。
さて、花といえば春号(2001年3月16日)に掲載したスノウドロップから、思わぬ素敵なお仲間が増えました。詩心があって、花が好きで、やさしい人柄が誰からも好まれるマンガ家、みつはしちかこさんです。この方は、ビズの編集者のように狭い了見で世間を渡るフトドキ者とは大違いで、国民的アイドルというか、幅の広い支持層をもつ才人です。ご紹介するまでもなく、朝日新聞の日曜版に“ハーイ、あっこです”を連載中。ところが、ところが、この方の偉業は大大大ロングセラー“小さな恋のものがたり”を生み出したこと。驚くなかれ、ごく最近、主人公チッチとサリー誕生40周年記念の1冊が発売されました(立風書房)。年齢を超越した(失礼)愛らしい恋心は40年間変わることなく、小ちゃなチッチとおつき合いしているご様子。話がなかなか核心に近づかずごめんなさい。
そうなんです。この記念本の裏表紙を開いてびっくり。小ちゃなサリーが背丈よりも大きなスノウドロップを見つめているではありませんか。
みつはしちかこさんは、ビズのスノウドロップの特集に短いコメントをよせてくれました。そして、この40周年記念の1冊にもチッチを見守るやさしい目でしっかりスノウドロップをとらえています−−−お好きなんですね。だから、みつはしちかこさんは私たちのお仲間です。これって、小さな恋? いえいえ、ビズ編集部からみつはしさんへの小さな片恋物語と思っていましょう。
●クリスマスローズ、スノウドロップともに、世界の最先端のナーセリー情報をお伝えしています。そのため、花の魅力にまいった!となっても、苗が日本ではまだ手に入らないという品種も多々あります。園芸界というもの、需要があって動くという一面があるのも事実。メールに寄せられる、欲しい欲しいという皆様の声が数字でカウントされれば、必ずや日本のナーセリーも希望をかなえてくれることでしょう。がんばろうね。