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第30話「ありがとう!『バラの診療室』大好評です」

2008年07月10日

Dr.真島康雄の『バラの診察室』があっという間に版を重ね、今日、3刷りの増刷分が出来上がりました。4月に発売してまだ3カ月足らずですが、全国の書店から”品切れ”の連絡が次々と入ってきていました。編集者にとって、出版する本が多くの人に受け容れられたという実感ほどうれしいものはありません。とくにこの本は、バラの害虫と言われる憎い虫たちが主役の本で、バラがお好きなエレガントな人たちに受け容れられるかどうか、内心ハラハラ・ドキドキだったのですから、うれしさも格別です。

今から10数年も前に出版したバラのオーガニック栽培本、梶みゆきの「バラの園を夢見て」以来の、新発想による無農薬栽培のハウツー本なのです。”こうすれば一発で害虫も病気もイチコロ”などという手法はいまだ世界中を見回しても見つからないのがこの領域。でも、『バラの診察室』をお読みいただいた方からのお便りで印象に残るご意見が「虫が恐くなくなりました」「虫に親近感が湧いてくる本」、中には「虫が好きになりました」というものまであります。つまり、著者の真島さんが9年間もかけて、バラに集まる虫たちのライフスタイルを、おもしろがりながら観察し続けた記録に、相手を理解するやさしい眼差しがあった、ということなのでしょう。

巷にはエコ、エコの大合唱がこだましています。技術革新でエコも立派なことですが、真島さんのように”見守る目”を持ち続け、虫たちの生きる知恵を解読しようという姿勢にも、人間らしさが満ちているように思います。益虫は肉食、害虫は草食、益虫のエサを取り尽くさないように、という真島さんの言葉には、編集中にも深くうなづいたことでした。まだ、お手にとっていらっしゃらない方々には、ぜひ書店でごらんいただければ幸いです。

■BISESのバラ特集を厳選してまとめた豪華総集編、『輝くバラたち』も大好評で版を重ねています。バラほど奥が深く、多面的な魅力にあふれる花はありません。BISESがバラを愛している理由が伝わる一冊になっています。

執筆者プロフィール

ガーデニング誌『BISES』の元編集長。創刊から休刊までの146冊、25年間務めました。1997年流行語大賞トップ10に選ばれた「ガーデニング」は、私が全国に広めた言葉です。これはGARDENINGをカタカナにしたもので、造語ではありません。今では日本語として立派に定着しましたね。