編集部ブログ
八木 波奈子のブログ
- 2000年05月16日
- 第3話「ニューヨークへ2日半の旅」
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随分昔、ニューヨークのメトロポリタン美術館で大々的な『大マハラジャ展』が開かれた。たまたまN.Y.滞在中だったので、見に行ってびっくり。宝石に埋まった刀や装飾品など、豪華絢爛、この世に本当にこんな世界があるのだろうかと驚き、不思議な力に打たれたのであった。その後、運命の糸にたぐられるように、私はインドのマハラジャの城を訪ねることになった。朝もやの庭の孔雀、大理石のバルコニーをかすめて飛ぶ野生のオウムの極彩色の群れ、金色の朝日に輝く湖上に浮かぶパレス、夜の星の大きさ・・・・・・何度、友人、知人に語ったことか。で、まあこの夢のような体験が、実はBISESへとつながるのであります。
帰国後、マハラジャ氏から、ロンドンで出版記念パーティを開くのでいらっしゃいませんか、との招待状が舞い込んだ。もちろん自費で行くのです。人生、何がどう展開するかわからないものだ。チャンスはつかむもの!女は度胸。初めての私の英国行きは、たった2時間のパーティに出席するために、1日半+往復の計4日たらずの旅となって実現した。
このパーティで出会った人から、私はイングリッシュ・ガーデンの真髄ともいえる、庭公開とチャリティ活動が連動する話を聞いたのだ。このことが、やがてBISESのコンセプトのひとつとなって、日本のガーデニング・ムーブメントを作る原動力となる。
前置きがとっても長かったけれど、この第3話で言いたいことは、ごく最近、思い出のN.Y.へまた行って来た、という報告なのです。空を突き刺すようなあの摩天楼、尋常な街ではない。今回のご用は、何と、そのロックフェラーセンター(正しくはGEビル、あのスケートリンクの背景のビル)65階で催されるヘンリー・R・ルース賞の授賞式への出席だったのです。BISES夏号(5月16日発売 NO.6)でもつつましく報告しているけれど、BISESの昨年の冬号『冷気をまとう花々の一瞬』が写真部門で受賞したのだ。アンドリュー・ローソンさんの凍れる花の傑作集。見ていない人は、今すぐプレジデント社の販売部へ電話して、バックナンバーを買ってね。この賞は、タイム社が全世界で発行する44誌の中から1999年の優秀記事を選ぶというもの。会場の大スクリーンに、BISESの表紙、ついで中面の写真が映し出された。窓の外にはエンパイア・ステートビルが肩を並べている! ワァー、映画みたい。またまた、N.Y.はとんでもない思い出を私に残してくれた。今回は2日半の滞在で、東京へ戻ってきた。
翌日は朝11時から夜12時までのハードワーク。時差克服の天才じゃぁないか、と思ったことだ。編集長って、ドラマも作らなければならないし、本業は手も気も抜けない。
スタッフは言う。八木さんは、1日でも仕事やめたらボケます。