それまで「大きな庭部門」から選出されてきましたが、「小さな庭部門」から初のグランプリとなったのが主婦・前田さんの30坪の住宅街の庭です。お母様の影響で小学5年から、生け花を学び、自然に育つ植物にも興味をもった前田さん。「庭に置かれているものすべてに生活感がある。花だけでなく葉も楽しめ、四季いずれも美しい」と評価されました。その後、自身で撮影した写真と文による連載を本誌でスタート。7年間の連載をまとめた『小さな庭で季節の花あそび』を刊行。「毎日忙しい私に、心穏やかな時間をくれる本」「庭づくりはもちろん、暮らし方、家族への想い、故郷への眼差しについて考える機会をもらった」など共感を呼んでいます。
生け花で身につけた植物センスで小さな庭を育む前田満見さん/神奈川
審査員のコメント
- 植物マニアの庭は植物で溢れてしまいます。私も葛藤が多いのですが、それでは見ていて疲れてしまいます。「管理が大変そう」より「上手に管理しているな」と思わせる庭でありたい。今後も足し算引き算の美意識を磨いていけば、ますます素敵な庭になるでしょう。(吉谷桂子)
- 庭に置かれているものすべてがディスプレイでなく実際に使われている、その生活感がよい。日陰、日向の場所を理解し、花だけでなく葉を楽しむための植物を入れているので、どの季節に見てもよいことが想像できる。(ポール・スミザー)
- 小さな庭ほど構成や植物選択を含むデザイン力が求められます。デザインは前面に出る程、好き嫌いも分かれますが、ここの所が心憎い程さり気なくクリアされています。何気ない中に、確かな素材選びと構成、独特の空間を7年で作り上げたことにエールを送りたい。(加持一雅)