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第1回(1997)グランプリ受賞作品
小さな庭グランプリ
  • 西側のバーゴラから見た庭の全景。庭に広がりを持たせるようアールをつけてデザインした花壇と小径、
    視線を上に向けさせる樹木が庭全体をより広く見せてくれます。
  • リビングルームのボウ・ウインドウと同じ曲率で花壇を作り、コデマリとアイビーを植え込みました。
  • モッコウバラのアーチが緑のトンネルに生長しました。小径に奥には真紅のパラ’パパ・メイアン’。
  • 淡ピンクの"ピエール・ド・ロンサールが彩るパーゴラ。バラのない季節は 、ハンギングやコンテナの花で。
静寂な森の小径を抜けて目の前に現れた隠れ家の庭園吉村治代さん/奈良

応募総数545通という大激戦の小さな庭部門から、見事グランプリに輝いた吉村治代さん。受賞の理由には、35坪の庭にたくさんの要素を見事に調和させた空間デザインと、効果的な植物の組み合わせが挙げられます。バーゴラ、テラス、花壇などは、それぞれ独立したシーンとしても見ごたえのある演出がなされ、そのセンスは脱帽ものです。

受賞者のコメント

庭をつくるにあたって私が最も重視したのは、いかに庭でリラックスした時間を過ごせるかということでした。そこで庭での生活を楽しむアイディアとして、ガーデンパーティーができる充分な広さのテラス、自然の風を楽しみながら読書ができるパーゴラ、そして木陰とかぐわしい香りをもたらしてくれるモッコウバラのトンネルを主要なポイントとして、庭を設計しました。これらの場所は、木製の小径を通じて行き来することができます。一方、植物の選択に関して気を配った点は、針葉樹や落葉樹、高木と低木をうまく組み合わせて、いかに自然の森のような雰囲気を作り出すかということでした。草花の組み合わせも、四季折々楽しめるよう工夫し、花の少なくなる冬を考えて、いろいろな色調のグリーンの葉で変化をつけました。また、庭を眺めた時に視点によって異なった表情になるよう、花壇はアールをつけてデザインしてあります。私たちの家族にとって共通の趣味である庭づくりは、自然とのふれあいを通じて心に安らぎを与えてくれるかけがえのないものです。

 
大きな庭グランプリ
  • 住まいとその手間のギャラリー。木々が大きくなって、雨上がりにはフィトンチッドが。
  • 南斜面に植えた200株のラベンダー。海風のおかげで、毎年素晴らしい香りの花を楽しんでいます。
    奥に見えるガレージも、あずまやも手作り。
  • ギャラリーから、枕木のテラス越しにシラカバ林を。この枕木は、川にかかる鉄橋に使われていたもので、
    1本50kgはあるのではないだろうか?
  • みだれ敷きの石庭と露天風呂。イロハカエデ、ヤマモミジとあじさいを主にした庭。
海辺の小さな雑木林内海剛さん/宮城

応募総数545通という大激戦の小さな庭部門から、見事グランプリに輝いた吉村治代さん。受賞の理由には、35坪の庭にたくさんの要素を見事に調和させた空間デザインと、効果的な植物の組み合わせが挙げられます。バーゴラ、テラス、花壇などは、それぞれ独立したシーンとしても見ごたえのある演出がなされ、そのセンスは脱帽ものです。

受賞者のコメント

海が大好きな私は,東京の生活からUターンして作庭を始めました。海辺に住んでいながら「山里のたたずまい」を基本に掲げて、雑木をたくさん植えることから始めていきました。まず最初に植えたのが、シラカバを30本、ブナの大木を2本です。また最初につくった造作物は3つの炉。ここ石巻は魚のおいしいところなので、大好きな魚をいつも焼いて食べられるようにするためでした。
工夫した点は、敷地の一部が国道に面しているため埃と音をシャットアウトするように、カイヅカイブキを列植したり、自生のアケビを利用して大きな緑の壁をつくったこと。そして、一輪車を導入したことです。おかげで自分でも感心するほど重い枕木を一人で運ぶこともでき、作庭の楽しみにつながっていきました。400 坪の庭には、住まいのほか、婦人服デザイン製作の仕事場やギャラリーもあるので、1 日中この庭の中で過ごしています。