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2013年08月02日
静岡新聞に「畑のおうち」が紹介されました

富士 霊峰やSA間近に

20年ほど前から全国に広がり始めた滞在型市民農園「クラインガルデン」。個別の宿泊施設が付いた貸農園で週末農業を楽しむ。そんなライフスタイルに、憧れる都市住民も多い。地域交流促進や農業支援といった社会的効果も期待されている。県内の事例と草分けの長野の事例を紹介する。
JA富士市が運営する市民農園「ふれあい耕房ふじかわ」は、1998年の開設。東名高速道路の富士川サービスエリア近く、連なる山小屋風の屋根が目印だ。20区画あり、農園と駐車場、27平方メートルの宿泊施設(休憩室、ロフト、バス、トイレ付き)を備える。
間近に見える富士山と温暖な気候が喜ばれ、利用者は県外から定年退職後の人が多い。「東名のスマートインターができて利便性が増した。関東のほか、愛知、京都など関西の利用者が増えている」と担当者は話す。
利用料は年間40~45万円(初年度は契約金として別途10万円)。1年単位で最長5年。8月が入れ替え期で2軒を募集中。問い合わせはJA富士市資産相談課<0545(51)2127>へ。
長野 地域との交流充実

最も早い時期に開設した長野県松本市の「坊主山クラインガルデン」での日々を「畑のおうち」(芸文社)にまとめたフリーライターの岡崎英生さん(69)にその楽しさを聞いた。
坊主山クラインガルデンは53区画で、1区画に約100平方メートルの畑があり、60~70代後半の利用者が遠くは愛知県や京都市からも足を運ぶ。北アルプスが望める上、車で県内の温泉巡りもできる。
岡崎さんは冬場を除き、木曜に来て月曜に埼玉県の自宅に帰る。東京都内から車で3時間半だが、岡崎さんは「始めるなら定年退職後の方がいいでしょう」と話す。
一つは一定の「縛り」があるからだ。坊主山の場合、「1ヵ月に最低3泊か(日帰りで)6日来る」などのルールがあり、畑を放置していると注意喚起の電話がある。岡崎さんは「別送気分で来て人と交流せず、畑は雑草だらけでは意味がない」と指摘する。
もう一つは地域や利用者との交流があること。坊主山は地元農家が講師を務める有機農業講習会や夕涼み会を開催。有志の地域交流活動「坊主山小学校」もある。
「一日中草取りで終わることもある。それが最初のハードルじゃないですかね」と岡崎さん。「ナスやキュウリの種をまき、発芽すると、それはかわいらしい。野菜の苗という幼い命と向き合っている。花が咲いて実がなる喜びは替え難い。地面が乾いた後、雨が降るとありがたい。自然のありがたみを体感できるという。
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